津軽こぎん刺しの由来

こぎんは200年以上も昔に有ったことが資料に残されている。

藩政の厳しい掟によって抑圧されていた農民の苦しい生活の中で必然的な知恵がもたらした遺産と言える。

 特に、藩政時代、綿布の使用を禁じられていた農民たちは、自ら麻を栽培し、糸を紡ぎそれを衣類としており、麻とともに蓼(たで)藍を栽培し、麻を染める染料に藍が使用されていた。

 冬の寒さをしのぐため、津軽地方では保温や補強を目的に、縫い糸としてのみ許されていた綿糸を用い、麻の布目を糸で刺し織ることが行われ、次第にこぎん刺しと呼ばれる独特の模様を生み出したと言われている。

  伝統のこぎんとは、紺の麻地に白く、太く、温かな木綿糸が織りなす刺し子の一種で、青森県の津軽地方(弘前市)を中心に生まれ、左記の三地域別に分けることが出来ます。

西こぎん・・・岩木川を挟んで弘前市の西側、中津軽郡一帯、特に西目屋村、【旧相馬村、旧岩木町】周辺で作られた。                                                            

●東こぎん・・・弘前市より東側、黒石市、平川市【旧平賀町、旧尾上町】周辺で作られた。

●三縞こぎん・・岩木川の下流にあたる五所川原市【旧金木町を中心とした地方】、【つがる市【旧車力村、旧木造町】で作られた。